その日の夕刻。
エーリヒ率いるマグノリアの追跡部隊は、
山間の森に入っていた。
その進路の先には、
クラウス王子が率いるハイドランジアの騎兵部隊。
「マグノリア王国の部隊か。私はハイドランジアのクラウスだ。」
「……クラウス殿下。エーリヒ・フォン、ロートシルトと申します。」
二人の間に一瞬、緊張が走る。
しかし次の瞬間、クラウスは深くうなずいた。
「目的は同じだ。敵はヴァルタザールとその背後にいる者たち。王女殿下を救うため、力を合わせよう」
「……感謝します。殿下。」
「エリザベート殿の妹姫リーゼロッテ様からもよくよく頼まれていてね。ひとつよろしく頼むよ。」
短く手を握り交わす二人。
その背後で、兵士たちが新しい作戦地図を広げる。
一方、夜の森。
月明かりの中、
ヴァルタザールは眠るエリザベートを馬車の中に横たえ、冷ややかに微笑んでいた。
「マグノリアの英雄も、帝国の王子も……もう遅い。」
彼の目には、母シャルロットの幻影がちらつく。
「ジゼルからすべてを奪いなさい。幸せも、希望も」
ヴァルタザールは低く呟く。
「母上……もうすぐ、あなたの望んだ復讐が果たされますよ。」
馬車の車輪が闇を裂き、
静かな夜の森を駆け抜けていく。
その先に待つのは、
各国の思惑と裏切りが絡み合う混沌の渦――。
エーリヒ率いるマグノリアの追跡部隊は、
山間の森に入っていた。
その進路の先には、
クラウス王子が率いるハイドランジアの騎兵部隊。
「マグノリア王国の部隊か。私はハイドランジアのクラウスだ。」
「……クラウス殿下。エーリヒ・フォン、ロートシルトと申します。」
二人の間に一瞬、緊張が走る。
しかし次の瞬間、クラウスは深くうなずいた。
「目的は同じだ。敵はヴァルタザールとその背後にいる者たち。王女殿下を救うため、力を合わせよう」
「……感謝します。殿下。」
「エリザベート殿の妹姫リーゼロッテ様からもよくよく頼まれていてね。ひとつよろしく頼むよ。」
短く手を握り交わす二人。
その背後で、兵士たちが新しい作戦地図を広げる。
一方、夜の森。
月明かりの中、
ヴァルタザールは眠るエリザベートを馬車の中に横たえ、冷ややかに微笑んでいた。
「マグノリアの英雄も、帝国の王子も……もう遅い。」
彼の目には、母シャルロットの幻影がちらつく。
「ジゼルからすべてを奪いなさい。幸せも、希望も」
ヴァルタザールは低く呟く。
「母上……もうすぐ、あなたの望んだ復讐が果たされますよ。」
馬車の車輪が闇を裂き、
静かな夜の森を駆け抜けていく。
その先に待つのは、
各国の思惑と裏切りが絡み合う混沌の渦――。



