姫と騎士のめぐりあい

ハイドランジア側の港町。
早朝はいつも濃い霧が立ち込める。
その港でエーリヒは仲間の到着を静かに待っていた。

(リサ……もうすぐ行くから。俺が守る……絶対に。)

ほどなくして、
数隻の小型艇が港に到着。
甲板の階段を駆け上がるのは、
マグノリア王国から派遣された精鋭部隊。
鎧の光、整然とした行動、すべてが統率されている。

「隊長、エーリヒ殿と合流しました。」
副官が短く報告する。
隊長はうなずき、兵士たちに号令をかける。
「全員、気を引き締めろ。標的は王女エリザベート殿下だ。我々は彼女の命を守るため、何があっても任務を遂行する。」

エーリヒは隊長に近づき、低く声をかける。
「情報は共有してあるか?ヴァルタザールの手の内も?」
「はい、殿下。フレデリカ様ならびに女帝陛下より、ハイドランジア宮廷内部に潜む協力者と思しき者のリストまで把握済みです。」

拳を握りしめるエーリヒ。
彼が視線を向ける霧の向こうには
エリザベートが匿われている別邸があり、
その庭園ではエリザベートが無防備に散歩していた。