物音に気づいたのか、
母は刺繍を刺す手を止めてふと顔をあげる。
エリザベートと目が合うと
柔らかな微笑みを浮かべて
こちらに来なさいとでも言うように
自分の隣をポンポンと叩いた。
エリザベートは素直にそれに従う。
「また次の機会に頑張りましょうね。」
エリザベートの柔らかな金髪を優しく撫でながら
母は慰めてくれる。
エリザベートがなんとか克服したいと
頑張っていることを母も理解してくれていた。
「どうしていつも上手くできないのかな。家族や友達の前では普通に話せるのに。またお父様をがっかりさせてしまうわね。」
「そんなことないわ。お父様もリサ(エリザベートの愛称)が頑張ろうとしていることをちゃんと知っていますよ。」
「でもね、お母様。私、この前聞いてしまったのよ。『問題はリサだ。あの状態では嫁の貰い手が見つけられない。』ってシュトラウス公爵に愚痴をこぼしているのを。」
「まぁ(もう、陛下ったら)。でもね、リサ。人前で話すのが恥ずかしいから、結婚相手が見つからないなんてことはないのよ。あなたの良いところを見つけてくれる人が絶対にどこかにいるわ。」
その夜、
エリザベートの母ジゼル王妃は
夫であるユリウス国王にエリザベートの話をした。
母は刺繍を刺す手を止めてふと顔をあげる。
エリザベートと目が合うと
柔らかな微笑みを浮かべて
こちらに来なさいとでも言うように
自分の隣をポンポンと叩いた。
エリザベートは素直にそれに従う。
「また次の機会に頑張りましょうね。」
エリザベートの柔らかな金髪を優しく撫でながら
母は慰めてくれる。
エリザベートがなんとか克服したいと
頑張っていることを母も理解してくれていた。
「どうしていつも上手くできないのかな。家族や友達の前では普通に話せるのに。またお父様をがっかりさせてしまうわね。」
「そんなことないわ。お父様もリサ(エリザベートの愛称)が頑張ろうとしていることをちゃんと知っていますよ。」
「でもね、お母様。私、この前聞いてしまったのよ。『問題はリサだ。あの状態では嫁の貰い手が見つけられない。』ってシュトラウス公爵に愚痴をこぼしているのを。」
「まぁ(もう、陛下ったら)。でもね、リサ。人前で話すのが恥ずかしいから、結婚相手が見つからないなんてことはないのよ。あなたの良いところを見つけてくれる人が絶対にどこかにいるわ。」
その夜、
エリザベートの母ジゼル王妃は
夫であるユリウス国王にエリザベートの話をした。



