一方、
こちらはマグノリア王国。
王都グラディオーレンに構える
ロートシルト・グループ本店。
王都の中心、白い石造りの壮麗な建物は、
軍隊とは別世界の静けさに包まれていた。
エーリヒは分厚い帳簿の山の向こうで
今日もペンを走らせている。
彼の新しい戦場は数字と契約書の海だった。
2年前まで、彼は剣を握る騎士だった。
いまは、金を動かし、
国家間の信用を調整する“金融の騎士”だ。
それでも、胸の奥ではいつも、
ひとりの女性の面影が離れない。
──エリザベート。
留学先のハイドランジア帝国で、
外交学と政治史を学んでいる。
あの別れの朝から、手紙も連絡も一切ない。
彼女が前を向いていることは分かっていた。
だからこそ、自分はもう彼女の影にもなれない。
そう思い込んでいた。
だが、その平穏を破る報せが訪れる。
こちらはマグノリア王国。
王都グラディオーレンに構える
ロートシルト・グループ本店。
王都の中心、白い石造りの壮麗な建物は、
軍隊とは別世界の静けさに包まれていた。
エーリヒは分厚い帳簿の山の向こうで
今日もペンを走らせている。
彼の新しい戦場は数字と契約書の海だった。
2年前まで、彼は剣を握る騎士だった。
いまは、金を動かし、
国家間の信用を調整する“金融の騎士”だ。
それでも、胸の奥ではいつも、
ひとりの女性の面影が離れない。
──エリザベート。
留学先のハイドランジア帝国で、
外交学と政治史を学んでいる。
あの別れの朝から、手紙も連絡も一切ない。
彼女が前を向いていることは分かっていた。
だからこそ、自分はもう彼女の影にもなれない。
そう思い込んでいた。
だが、その平穏を破る報せが訪れる。



