「あなたなら、きっと。」
エーリヒは静かにうなずく。
――その言葉の後に「でも行かないで」
と続けられたら、
どんなに楽だっただろう。
けれど、そんなことは言えない。
王女として生きる彼女の道を、
自分の言葉で縛るわけにはいかないのだから。
「あなたの騎士服もこれで見納めなのね。」
エリザベートがぽつりと呟く。
そう、
エリザベートが留学を決意した一方で
エーリヒもまた騎士団を退くことを決めたのだった。
「家業を継ぐのね?」
「えぇ。いずれはそのつもりでいましたから。」
「ロートシルト伯爵殿はエーリヒの憧れだものね、小さい頃からの。ヘルヴェーク伯爵令嬢と結婚すれば、ロートシルト・グループはもっと大きくなるでしょうし。」
「エリザベート様、何を……」
エリザベートから出てきた言葉に
エーリヒは狼狽する。
「あら、私だってそれくらい知っているわ。お似合いの両家だって、みんな言ってるもの。」
「ヘルヴェーク伯爵家から縁談の話があったのは事実ですが、私は承諾していません。」
早急に訂正しなければと
つい思っていたより大きな声が出てしまい、
エリザベートもたじろいだ。
「そ、そうなのね。変なこと言ってしまってごめんなさい。」
「いえ、私こそ大きな声を出してしまい、申し訳ございません。」
エーリヒは静かにうなずく。
――その言葉の後に「でも行かないで」
と続けられたら、
どんなに楽だっただろう。
けれど、そんなことは言えない。
王女として生きる彼女の道を、
自分の言葉で縛るわけにはいかないのだから。
「あなたの騎士服もこれで見納めなのね。」
エリザベートがぽつりと呟く。
そう、
エリザベートが留学を決意した一方で
エーリヒもまた騎士団を退くことを決めたのだった。
「家業を継ぐのね?」
「えぇ。いずれはそのつもりでいましたから。」
「ロートシルト伯爵殿はエーリヒの憧れだものね、小さい頃からの。ヘルヴェーク伯爵令嬢と結婚すれば、ロートシルト・グループはもっと大きくなるでしょうし。」
「エリザベート様、何を……」
エリザベートから出てきた言葉に
エーリヒは狼狽する。
「あら、私だってそれくらい知っているわ。お似合いの両家だって、みんな言ってるもの。」
「ヘルヴェーク伯爵家から縁談の話があったのは事実ですが、私は承諾していません。」
早急に訂正しなければと
つい思っていたより大きな声が出てしまい、
エリザベートもたじろいだ。
「そ、そうなのね。変なこと言ってしまってごめんなさい。」
「いえ、私こそ大きな声を出してしまい、申し訳ございません。」



