あっという間に時は過ぎ、
季節を一つ越えた。
夜明け前の空は淡い藍色に染まり、
王城の中庭には冷たい朝霧が漂っている。
今日、
第一王女エリザベートは留学のために
マグノリア王国を発つ。
城門前にはすでに馬車の準備が整い、
見送りの家族や侍女、文官たちが来るのを待っていた。
だが、その場にはまだ誰もいない。
いつもより早く起きたエリザベートは、
ひとりで中庭に出てきた。
その静寂の中に、足音が響く。
振り向くと、そこにエーリヒが立っていた。
「……エリザベート様。」
「まぁ、来てくれたのね。」
エリザベートはかすかに笑みを浮かべた。
その表情は凛としていながら、
どこか寂しげだった。
「お見送りを申し出たのは、勝手なことでしたが……」
「いいえ。来てくれて、嬉しいわ。」
淡い朝の光が二人の間を照らす。
けれど、その光のあたたかさとは裏腹に、
胸の奥は冷たかった。
「これで……お別れですね。」
エーリヒの言葉に、
エリザベートのまつ毛が震える。
「そうね。しばらくは帰ってこられないと思うわ。」
「どのくらいのご滞在になるのですか?」
「……一年、もしかしたらそれ以上。
でも、戻る頃には立派な王女になっていたいの。」
その声には決意があった。
だが、同時に彼女自身を励ますような響きもあった。
季節を一つ越えた。
夜明け前の空は淡い藍色に染まり、
王城の中庭には冷たい朝霧が漂っている。
今日、
第一王女エリザベートは留学のために
マグノリア王国を発つ。
城門前にはすでに馬車の準備が整い、
見送りの家族や侍女、文官たちが来るのを待っていた。
だが、その場にはまだ誰もいない。
いつもより早く起きたエリザベートは、
ひとりで中庭に出てきた。
その静寂の中に、足音が響く。
振り向くと、そこにエーリヒが立っていた。
「……エリザベート様。」
「まぁ、来てくれたのね。」
エリザベートはかすかに笑みを浮かべた。
その表情は凛としていながら、
どこか寂しげだった。
「お見送りを申し出たのは、勝手なことでしたが……」
「いいえ。来てくれて、嬉しいわ。」
淡い朝の光が二人の間を照らす。
けれど、その光のあたたかさとは裏腹に、
胸の奥は冷たかった。
「これで……お別れですね。」
エーリヒの言葉に、
エリザベートのまつ毛が震える。
「そうね。しばらくは帰ってこられないと思うわ。」
「どのくらいのご滞在になるのですか?」
「……一年、もしかしたらそれ以上。
でも、戻る頃には立派な王女になっていたいの。」
その声には決意があった。
だが、同時に彼女自身を励ますような響きもあった。



