「気にすることないよ。初めてはみんな緊張するんだから。」
エドワードはそう言って励ましてくれたけれど、
エリザベートは恥ずかしくて
顔から火が出そうだった。
その日以来、
エリザベートが社交の場に顔を出すのは
ごくごく身内の集まりか、
今日のように母親に参加するよう
言われた時だけになってしまった。
エリザベートがこんな状態なので、
もう19歳で良いお年頃なのに
婚約相手すら決まっていないという異常事態。
通常なら17歳までに社交界デビューを済ませ、
学院の最終年度である18歳の時には
婚約者と共に参加してお披露目する。
1つ下の弟で王太子のマティアスもそうなるだろう。
相手は2つ歳下でシュトラウス公爵家令嬢であるリラ。
家柄の釣り合いよろしく、
本人たちの仲も良好ということで
何か天変地異でも起こらない限り、
順当に2人は結婚するはずだ。
一方の自分は。
考えるだけで情けない。
結婚なんてしなきゃいけないんだろうか?
いつまでもこのまま、
家族と一緒に暮らせたら良いのに。
恋愛に興味がないわけではないけれど、
新しい出会いには後ろ向き。
そんなエリザベートには
実はずっと好きな相手がいる。
エーリヒ・フォン・ロートシルト。
ロートシルト伯爵家の嫡男で
現在は国王陛下の親衛隊に所属する軍人だ。
エリザベートが外出する時などは護衛を務めてくれる。
(正確には、エリザベートが父にお願いして、エーリヒを護衛に指名している。)
エドワードはそう言って励ましてくれたけれど、
エリザベートは恥ずかしくて
顔から火が出そうだった。
その日以来、
エリザベートが社交の場に顔を出すのは
ごくごく身内の集まりか、
今日のように母親に参加するよう
言われた時だけになってしまった。
エリザベートがこんな状態なので、
もう19歳で良いお年頃なのに
婚約相手すら決まっていないという異常事態。
通常なら17歳までに社交界デビューを済ませ、
学院の最終年度である18歳の時には
婚約者と共に参加してお披露目する。
1つ下の弟で王太子のマティアスもそうなるだろう。
相手は2つ歳下でシュトラウス公爵家令嬢であるリラ。
家柄の釣り合いよろしく、
本人たちの仲も良好ということで
何か天変地異でも起こらない限り、
順当に2人は結婚するはずだ。
一方の自分は。
考えるだけで情けない。
結婚なんてしなきゃいけないんだろうか?
いつまでもこのまま、
家族と一緒に暮らせたら良いのに。
恋愛に興味がないわけではないけれど、
新しい出会いには後ろ向き。
そんなエリザベートには
実はずっと好きな相手がいる。
エーリヒ・フォン・ロートシルト。
ロートシルト伯爵家の嫡男で
現在は国王陛下の親衛隊に所属する軍人だ。
エリザベートが外出する時などは護衛を務めてくれる。
(正確には、エリザベートが父にお願いして、エーリヒを護衛に指名している。)



