姫と騎士のめぐりあい

やがてエリザベートの留学は
国王により正式に公表される。
留学先はハイドランジア帝国。
帝国の高等教育機関で国際政治を学ぶという。

両親からはウィステリア王国を勧められたが、
エリザベートはそれを拒否した。
ウィステリア王国は母方の祖母の祖国。
ウィステリア国王は王妃の甥であり、
現在も大変良好な関係を築いている。
ウィリアム国王のお膝元にいけば
間違いなく快適な留学が保証されているだろう。
何から何まで至れり尽くせりに違いない。

でも、それでは何も成長しない気がする。
結婚(エーリヒ)を諦めたエリザベートは、
王女として公務に邁進するつもりだった。
そのためには厳しい環境に身を置く方がいい。
だから知り合いがいない国に行く。

そうと決まると、
様々なことが急ピッチで進められていく。
今までエリザベートが担っていた公務は
王太子妃となったリラが引き継いでくれる。
引き継ぎや留学準備に追われて、
エーリヒと話す時間は全く取れなかった。
時々、エーリヒからの視線を感じたものの
エリザベートは意識的に気づかないふりをする。
彼と話してしまうと
自分の決意が揺らいでしまいそうだったから。