姫と騎士のめぐりあい

エリザベートはエリザベートで、
華やかな場に相応しい出で立ちで登場する。
新婦である皇太子妃を引き立たせるため、
色味や装飾は落ち着いているものの、
生まれ持った気品までは隠せない。

何食わぬ顔でエスコートしたものの、
自分の心臓が早鐘を打っていることを
エーリヒは嫌でも自覚せざるを得なかった。
そんな自分を悟られたくなくて、
エリザベートに対して
いつにも増して酷い言葉を投げつけてしまったのだった。

覆水盆に返らず。
一度発してしまった言葉は、
もう取り消すことはできない。
自分から離れていくエリザベートの背中を
エーリヒはただ見つめることしかできなかった。