姫と騎士のめぐりあい

リサと再び関わりを持つようになったのは、
近衛隊に入隊してしばらくのことだった。

生家のロートシルト伯爵家は
銀行業を生業とし、
今やそのビジネスは世界規模だ。
父は年中世界を飛び回って経済を動かしている。
エーリヒはそんな父を尊敬していたし、
自分も父のようになりたいと
子どもの頃から夢見ていた。
だから学院卒業後は父の元で働きたいと希望したが、
父から反対される。
「まずは社会に出て、いろんな経験をしなさい。」と。

特にやりたいことがなかったエーリヒだが、
世界中を飛び回るのには体力が必要だし、
憧れの父もそうだったのだからと
軍隊に入ることを決意する。
ここで数年頑張って身体と根性を鍛え上げ、
心身ともに屈強なビジネスマンとして
いずれは世界に羽ばたく。
それがエーリヒの描いた青写真だ。

王国軍に入隊し、
国王はじめ王族を警護する近衛隊に配属された。
普段は城に常駐し、
国王をはじめとする王族の公務や外遊、式典の際に
警備にあたるのが主な任務だ。
少数精鋭の部隊で、
誰が誰の専属などと特に決まりはないのだが
第一王女エリザベートの護衛は
何故かいつもエーリヒだった。