姫と騎士のめぐりあい

その時初めて、
自分とリサとの間にある「身分」という
抗うことのできない格差を実感した。
それ以降、
なるべくリサと関わらないように努めた。
けれど、
そんなことはお構い無しなのがリサで、
自分の姿を見つけるたびに「エーリヒ!」と
あの天真爛漫な笑顔で駆け寄ってくる。

リサは極度の恥ずかしがり屋だから、
学院でもごく親しい友人としか話そうとしない。
リサが男子学生で話しかけるのは
幼なじみの自分だけだ。
リサが話しかける男は自分だけというのは
内心とても嬉しかったが、
それが妬み嫉みに繋がっているのは厄介だった。

リサは国王陛下によく似た美少女で
男子学生から非常に人気がある。
リサに見初められたら王家と繋がりができ、
家門の繁栄も期待できる。
いろんな理由から
リサとお近づきになりたい者からすれば、
リサから近づいてきてくれる俺は
羨ましくてしかたがないのだろう。
言いがかりをつけられて理不尽な叱責を受けたり、
大なり小なりの嫌がらせをされた。
そういったことが俺の心を頑なにさせ、
リサもそんな俺にあまり声をかけなくなった。

そうすることで平穏な学生生活が手に入ったものの、
一方でリサとの接点はほとんど無くなり、
親しく交流することがないまま
エーリヒは学院を卒業したのだった。