大の苦手な社交も、
エーリヒが隣にいれば難なくこなすことができた。
お父様が褒めてくれるくらい、
上手にこなせたんじゃないかと思う。
食事が終わると
テーブルがさーっと脇に片付けられ、
会場はダンスホールに様変わりする。
ゲストたちの歓声に包まれながら
本日の主役である王太子妃夫妻が
ファーストダンスを踊り、
国王夫妻がそれに続く。
その流れに続いて、
そこかしこでゲストたちがダンスに加わった。
エーリヒの卒のないリードで
エリザベートも優雅に踊る。
エーリヒの腕の中にいる時間が
永遠に続けば良いのに、
そう思わずにはいられないほど
エリザベートにとって至福の時間だった。
そんな2人の横を別のカップルがすれ違う。
カップルの女性の方は妹のリーゼロッテだ。
「お姉様、良かったわね。」
そうにこやかに言い残して、
リーゼロッテは人波の中に消えていった。
その後ろ姿をしばし目で追いながら
エーリヒがエリザベートに問いかける。
「エリザベート様も、私と踊っている場合ではないのではないですか。」
「え?」
「リーゼロッテ様のパートナー、ハイドランジア帝国の王子殿下でしょう。今宵は友好国の王侯貴族がお見えなのですから、良いお相手を探すのに絶好の機会では?」
「そ、それもそうね。」
エーリヒが隣にいれば難なくこなすことができた。
お父様が褒めてくれるくらい、
上手にこなせたんじゃないかと思う。
食事が終わると
テーブルがさーっと脇に片付けられ、
会場はダンスホールに様変わりする。
ゲストたちの歓声に包まれながら
本日の主役である王太子妃夫妻が
ファーストダンスを踊り、
国王夫妻がそれに続く。
その流れに続いて、
そこかしこでゲストたちがダンスに加わった。
エーリヒの卒のないリードで
エリザベートも優雅に踊る。
エーリヒの腕の中にいる時間が
永遠に続けば良いのに、
そう思わずにはいられないほど
エリザベートにとって至福の時間だった。
そんな2人の横を別のカップルがすれ違う。
カップルの女性の方は妹のリーゼロッテだ。
「お姉様、良かったわね。」
そうにこやかに言い残して、
リーゼロッテは人波の中に消えていった。
その後ろ姿をしばし目で追いながら
エーリヒがエリザベートに問いかける。
「エリザベート様も、私と踊っている場合ではないのではないですか。」
「え?」
「リーゼロッテ様のパートナー、ハイドランジア帝国の王子殿下でしょう。今宵は友好国の王侯貴族がお見えなのですから、良いお相手を探すのに絶好の機会では?」
「そ、それもそうね。」



