姫と騎士のめぐりあい

クラウスに会えない。
リーゼロッテの心は張り裂けそうだった。
ガーデンパーティーを欠席のお詫びの手紙が
リーゼロッテのもとに届いたのだ。

一方、フィリップからは
連日のように手紙が届けられた。
その手紙にはクラウスのことも書かれていて、
「クラウスは君を守れなかった。僕なら、君を世界一の妃にできる。」
そう自信満々に
リーゼロッテへの愛が綴られていた。

フィリップの情熱的な愛情表現に
心が揺れそうになるも、
リーゼロッテの胸にあるのはただ一人
――クラウス。

クラウスがいないガーデンパーティーで
フィリップは暴走して
何かしでかすかもしれない。
不安になったリーゼロッテは
父ユリウス国王に相談するが、
「実際何かあったわけでもないのに、私が表立って動くことはできない。私が動けば、外交上の問題に発展しかねない。」
と首を振られた。
リーゼロッテは涙をこらえ、
兄・マティアス王太子にすがる。
「お兄様……どうか、助けて。私は、クラウス様を愛しているの。」

マティアス王太子は、
妹の手を握り返した。
その瞳に静かな炎が宿る。
「……ロタの気持ちは分かる。父上は立場上動くことは難しいが、ロタの幸せを何より願っているのは間違いない。俺もできる限り動こう。」