リラがそのような考えを持つに至ったのは、
リラの母親、
つまりシュトラウス公爵夫人の影響だそうだ。
公爵夫人はもともと子爵家の出身で
王妃の侍女として王宮で働いていた。
そんな典型的な下級貴族の娘が
公爵夫人になるなんて普通はありえないのだが・・・
シュトラウス公爵家は先代の功績により
伯爵家から格上げされたため、
公爵家としての歴史は浅い。
公爵夫妻はもともと
伯爵家の嫡男と子爵家の令嬢で、
領地が隣同士の幼なじみが
大人になって結ばれた恋愛結婚なのだ。
夫婦仲は大変良好で国王夫妻とも親しく、
公爵は宰相として辣腕をふるっているが、
一方の公爵夫人は影が薄いと社交界では専らの評判。
公爵夫人ソフィアは
全く前に出たがらない物静かな女性だ。
公式行事で会う時は
場に相応しい出で立ちで堂々と公爵の隣に立っている。
その姿にエリザベートは好感を持っていたのだが、
リラによると家では家族で一番のお喋りで天然らしい。
公私のギャップがありすぎて全く想像できない。
「お母様に『どうして家と外で人格が変わるの?』って昔、聞いたことがあるの。そしたらね、『私にとって公爵夫人は私そのものではなくて、職業なの。仕事である以上、完璧にこなさないと。それだけよ。』って言ってたわ。」
それを聞いた当時はピンとこなかったリラも、
マティアスのプロポーズを受けた時に
母の言わんとしていたことが腑に落ちたという。
リラの母親、
つまりシュトラウス公爵夫人の影響だそうだ。
公爵夫人はもともと子爵家の出身で
王妃の侍女として王宮で働いていた。
そんな典型的な下級貴族の娘が
公爵夫人になるなんて普通はありえないのだが・・・
シュトラウス公爵家は先代の功績により
伯爵家から格上げされたため、
公爵家としての歴史は浅い。
公爵夫妻はもともと
伯爵家の嫡男と子爵家の令嬢で、
領地が隣同士の幼なじみが
大人になって結ばれた恋愛結婚なのだ。
夫婦仲は大変良好で国王夫妻とも親しく、
公爵は宰相として辣腕をふるっているが、
一方の公爵夫人は影が薄いと社交界では専らの評判。
公爵夫人ソフィアは
全く前に出たがらない物静かな女性だ。
公式行事で会う時は
場に相応しい出で立ちで堂々と公爵の隣に立っている。
その姿にエリザベートは好感を持っていたのだが、
リラによると家では家族で一番のお喋りで天然らしい。
公私のギャップがありすぎて全く想像できない。
「お母様に『どうして家と外で人格が変わるの?』って昔、聞いたことがあるの。そしたらね、『私にとって公爵夫人は私そのものではなくて、職業なの。仕事である以上、完璧にこなさないと。それだけよ。』って言ってたわ。」
それを聞いた当時はピンとこなかったリラも、
マティアスのプロポーズを受けた時に
母の言わんとしていたことが腑に落ちたという。



