恋心未来

「キトさん」
わっ。保健室だ、ここ。
「ボールが飛んできて倒れたんでしょ。」
と希。確かにそうだった。そしてさっき私を呼んだ声は最後に私に「キトさん!大丈夫」と聞いた声と同じだと思う。
「ごめんなさい。痛かったよね」
ってこの人楠先輩じゃん。楠先輩のボールだったんだ。ていうかなんで私の名前知ってるの。
「自己紹介したほうがいいよね。ごめん。俺は2年の楠香音。キトちゃんのことは妹の希ちゃんから聞いたんだ。よろしくね」
そうなんだ。希は楠先輩が希の名前を出したから顔を赤くしてる。
「キトさん、三時間目が終わるまではここで休んでね。私は用事があるから希さん、付き添いをお願いね」
と保険の杉山先生。そう言われて黙って楠先輩は出て行った。
必然的に、私は保健室で希と2人。こんなことは久しぶりかなぁって思ってる。
「キト、赤いよ、顔。」
希ってば、楠先輩っていう「イケメン」に会ったからに決まってるじゃん。
「キトさん。心配で隠れてたんだ、廊下に!」
えっ、楠先輩が気にかけてくれたなんて。本当に優しいな。
心拍数は思いのほか、上がっていく。希と同じ。
「じゃあね。また」
また会えるってこと?そう言われても心拍数は上がる。