──何分経ったのか、私の攻撃を受け止めたり避けたりしてる竜琉くんには一度も当たっていない。
「終わりか?」
防御のみの竜琉くんは息ひとつ乱れてないのに、私は消耗が激しい。
「それくらいじゃ取り返せねぇぞ。"大事な友達のペンダント"」
「っ取り返す!!」
今までよりもはやく、正確に自分の拳を出していれば、高速の拳が飛んできた。
それを避けて、後ろへのけぞった反動を利用しバク転する勢いで足を蹴りあげれば、竜琉くんの前髪をかすった。
着地して竜琉くんを見上げれば、どこか驚いた表情をしていたのだけど……すぐに口角があげられる。
「……十分だな」
「え?」
「最後の蹴り、悪くなかった。……終わりだ。大輝、お茶。悠にも頼む」
「え、ああ、うん!」
私の肩をポンと叩いて、竜琉くんは中へと入っていく。慌てた大輝くんも竜琉くんを追うようにして入って行った。



