「S……なんとか?かな?」
「大ちゃんこれエスなの?ぼく全然わかんない。悠ちんは?」
「真ん中あたりKじゃない?確信はないけど」
そう見えるだけ、かもしれない。
「……なるほどな」
「は?竜琉、これ読めんのかよ」
否定も肯定もせずに竜琉くんはもう一度、今度は大きくアートをこすった。
「ああっ、たっつん手が……」
大輝くんの心配をよそに、竜琉くんはこすったアートを見て意味深に笑みを浮かべる。
竜琉くんがなぜ笑ってるのか、私たちは顔を見合わせるだけだった。
「……行くぞ」
「え?おい、竜琉なんだったのか教えろよ」
「たっつんおてて!そのままポッケに入れちゃだめだよ!?」
歩き出す竜琉くんを追いかけるようにすれば、ひとりだけ動かない子が……。
「永瑠くん?」
「ぼくもう歩けなーい!」
シャッターの前でしゃがみ込む永瑠くんに、涼くんは大きなため息をついた。



