「オレもスケボーコースじゃねぇから来ねぇけど……」
「まがまがしいものを感じるね、ね!」
まがまがしい、そう言われるとしっくりくる。
まだ昼過ぎなのに、空以外は暗く重い雰囲気がただよってるから。
それに……隣を歩く竜琉くんの雰囲気もピリついてきてる。
「竜琉くん?」
急に方向をかえたと思えば、シャッターのスプレーアートに竜琉くんは手を伸ばした。
「……新しいな」
アートの一部をなぞった竜琉くんの指にはたしかにピンクの塗料がついていた。
「わあ、絵がけずれちった!」
「あらいけない、たっつん指ふきふきしないと」
「これくらい問題ねぇ」
「ってことは近くに誰かしらいるってことかよ。オレらに気付いて隠れてるだけか?……ん?これなんて書いてあんだよ」
涼くんがさしたのは、竜琉くんがなぞった絵の下部分。サインらしきものが書いてあるけど、読めない。



