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「……あれ?」
いつものように聞き込みをしてから合宿所をのぞけば、麦茶のボットを手にした大輝くんがいた。
「お、悠。はやいね」
「うん、少しはやく出たんだ。……今日はまだ、大輝くんしか来てないの?」
「うん。僕は来て早々に麦茶づくりをしてたってわけさ。おかわり大好き永瑠のため、多めにね」
合宿所へ来るたびに、冷たい麦茶を出してくれているのは毎回大輝くんだった。
私が仲間入りする前から、大輝くんは元々集まる時にお茶係をしていたのかもしれない。
「暑いからね、悠もおかわりしていいんだよ」
と、ソファに座るとすぐに、見慣れたグラスへお茶をいれてくれた。
「ありがとう。来る度に準備してくれて」
「え?」
「ん?」
グラスを受け取りながらお礼を言ったら、大輝くんはポットを片手に固まってしまって。
どうしたのかと首をかしげれば、ハッとして笑った。



