男装してるのにみんな距離が近いです


「髪は切っても、着てるもののせいで熱中症にでもなったら大変でしょ?最近洗う回数増えてたから気になってたの」

ひらひら、と愛用のパーカーを広げるお母さん。

「んー……」

このハイネックパーカー、色違いで着回してたけど、確かに暑いのは間違いない。
でも、これじゃないと顔が隠せないしなぁ。

「好きで着るのはいいんだけどね。ハイネックで日焼け予防したいのかはママは分からないけど。これはどう?」

お母さんが私の前に出した袋。
何かと取り出してみれば、メッシュ素材のハイネックパーカーが何着か入っていた。これはスポーツ用かな。

「探してくれたの?」
「大事な娘のためよ。それなら気回せるでしょ?」

全部広げていけば、すべて少しずつデザインや色が違うもので。メッシュタイプという最高の生地。
これはもう……

「嬉しい!!嬉しすぎるっ、ありがとう!」

手にした一着と一緒にお母さんにぎゅっと抱きついた。

「良かった、喜んでもらえて」

ありがとうって、伝わるように私はよりお母さんをぎゅっとした。