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夏休みがあけて、もう一ヶ月が経とうとしていた。
私も永瑠くんと同じように、つまらないと思ってしまう時もあったけど……もう、D区へ行く理由はないからと割り切って過ごせるようになってきていた。
別に、皆とはD区へ行かなくても連絡を取ろうと思えばとれる。会おうと思えば、会えるから。そう吹っ切って。
私からなにもしてないだけで。
関係が終わるわけではない。そう考えたら、少し気が楽になったんだと思う。
「一悠、今度これ食べに行こ」
「うん、いいよ」
「わたしもいれてー!」
「うちもうちも」
翠花がスイーツ人気店のパンフレットを私の机に広げ、これ食べたいあれ食べたいと盛り上がる。
……これが、私の日常。
喧嘩も、ランクも関係ない、平和な日常。
休み合わせていこうね、と話して翠花以外は手を振って帰っていく。



