ほら、と無理やりくるりとその場で回れば翠花はどこかホッとしたように息を吐いた。
「ごめん帰ってきたばっかで呼び出して。……これを、早く渡したくて」
落とさないよう持ってきた、私の親友の大事な物。そっと広げられた翠花の手のひらにのせた。
「え?……っこれ……」
「それで合ってる、よね?」
間違いはないけど、一応確認。
「おばあちゃんの……っうん……うん、合ってるよ……」
ぎゅっと両手でカメオのペンダントを握りしめ、翠花はしゃがみ込む。
震える翠花の背中を撫でるために、私もしゃがめば、
「ありがとうっ……ありがとう、一悠」
翠花が抱きついてきて、受け止めれば軽く尻餅をついた。
動き回った体が少し痛い。足の痛みと筋肉痛が一緒にきてる感じだ。
でも、私もぎゅってしたい。
「……良かった」
「本当にありがとう……」
「うん」
本当、良かった。
今は泣きながらだとしても、翠花の笑顔が見れたから。
──私は、それだけでいい。これだけを望んでいたのだから。



