男装してるのにみんな距離が近いです


その一瞬の光景に驚きながらも、私はペンダントをキャッチ。

「涼ちんなんで急にそっち行くの!悠ちんのとこに行きたいなら言えばいいのに」
「あ?別に……は!?」
「……ねぇ君たち、まだやるなら僕たちは元気だから相手するけどいかが?」

榊くんは起きてくる気配はないけど、周りには倒れているの子たちもいれば、まだ無傷な不良くんたちがぞろぞろといる。
大輝くんはそんな皆を見渡してにこにこと声をかけた。
でも勝ち目なしと分かったのか、ひとりまたひとりと去っていく。

「わーい、ぼくらの勝ちー!大ちゃんの流しそうめん効果!?ぼくめちゃ元気!」
「僕も元気!」
「……全然余裕じゃねぇか。歯ごたえなかったな、なぁ竜琉」
「俺らが強いんだろ?……それより」

夏休み、終盤にきてやっとだ。
……私の手の中に、翠花の大事なペンダントがある。
傷も、ついてないみたいで良かった。

「悠」
「……皆」
「ま、良かったんじゃねーの、取り戻せてよ」
「ぼくたちにかかれば、おてのもの!だよね!」
「悠、あとで僕に花丸かいてほしいな」

竜琉くんに名前を呼ばれて顔を上げれば、皆でピースを私に向けていた。
一瞬にして目の奥が熱くなったけど、今は笑顔で──ピースを返した。