「ごめんね、君とやるのがおそくなって。今から相手してよ」
次々と涼くんたちが倒していく中で、私はひとりをおいつめていく。
「相手って、お前は殴らないんだろ。け、喧嘩になるわけねぇだろ……先手必勝!!」
どんどん後退していた不良くんが、覚悟を決めたのか思い切り突っ込んできた。
ありきたりな正面からのパンチをなんなく避けて、難なく背中をとって軽く押せば焦ったように振り向いてくる。
「っこの!」
くり出してくるパンチは焦りからかもたついてぐちゃぐちゃだ。
この状況を長引かせていても意味はない。
一瞬で片がつくのはもったいないけど……。
「よっ」
拳を避けながら、上だけに集中がいってる不良くんの足に自分の足をかけてバランスを崩させ、肩を押して後ろへ倒す。
地面につく前にみぞおちへと拳をいれて、叩きつけるようにめり込ませた。
多分、叩きつけられて痛いと思う前には意識とんだと思うけど。
「……これは翠花のぶんね」
気絶してるから聞こえてないだろうけどさ。



