「それはただの育成枠。俺が強くしてあげようかなって思ったやつだけは目をつむって入れてるだけだよ」
「なのにあげられてねぇのはお前の実力不足なんじゃねぇのか?」
「……喧嘩売ってるつもりかな?」
「好きにとれよ。わりぃがうちのはAかもしんねぇが、十分お前らと張り合えるぜ?伸びも育ちもいいもんでな。苦労しねぇ」
私の肩に腕をまわし、竜琉くんは自慢げに話す。
なおもその表情は余裕そうで。
言葉のやりとりだけで、すでに笑う余裕をなくしだしている榊くんは、大きく息を吐くと自身のポケットをあさりだした。
そして──
くるくると指で回しはじめた──カメオのペンダント。
「……っ!」
私が気付いたのを見て、榊くんの口角があがったのが分かった。
「……おっと」
それと同時に、指から飛んでいったペンダント。行く方を目で追えば、奥にいた不良くんがキャッチした。──瞬間、ペンダントを手にした子が走り出してしまった。
「待って!!」
とっさに一歩踏み出すも、囲まれているせいで道がふさがれた。
倒さないと通してもらえない……ってこと。
「悠、行け!」



