(あ、帰って来た!)
22時になり、夕食を作り終えた花穂はカチャッと玄関のドアが開く音がして、大地を出迎えに行く。
「お帰りなさい! って、ええ? どうしたの?」
「ただいま、花穂」
そう言って大地は、手にしていたピンクのバラの花束を差し出した。
「あの、えっと、これはなに?」
「バラ」
「それは分かります! そうじゃなくて、なぜこれを?」
「コンペのお祝い」
「え? それなら私も大地さんになにか……」
「いいからさっさと受け取れ!」
急にいつもの口調で言われ、はい!と花穂は受け取る。
「わあ、綺麗。いい香り」
花穂はバラに顔を寄せてうっとりと呟いた。
「ありがとう、大地さん」
「どういたしまして。コンペに勝てたのは花穂がいてくれたからだ。それに俺をスランプから救ってくれた」
「ううん、私の方こそ。デザイナーとして仕事ができるのも、今こうして幸せでいられるのも、全部あなたのおかげです。ありがとう、大地さん」
「花穂……」
大地は切なげな表情を浮かべると、優しく花穂にキスをする。
「俺、花なんか贈ったの、花穂が初めてだ」
「そうなの?」
「ああ。そんなガラじゃなかったのにな。自分でも驚いてる。花屋の前を通りかかったら、無性に花穂に贈りたくなった」
「嬉しい。私もお花をもらったの、初めてなの」
「そうなのか? なんか俺も嬉しい。花穂と一緒なら、この先も楽しいことがたくさん待ってる気がする」
花穂はキョトンとしたあと、花束で顔を隠して、ふふっと笑い出す。
「なんだよ?」
「だって、大地さんが妙にロマンチックなこと言うんだもん」
「俺だってこんなこと言うタイプじゃなかった。花穂のせいだぞ?」
「ええ? どういうこと?」
思わず顔を上げると、ふいに大地が熱く唇を奪った。
「んんっ」
花束を手にしていては押し返すこともできず、花穂は大地の強引なキスを懸命に受け止める。
ようやく身体が離れると、花穂は目を潤ませながら、はあ……と吐息をついた。
「花穂こそ、こんなに色っぽいとは知らなかった」
「えっ、あの。私、別に色っぽくなんか……」
「こんなにトロンとした目で俺を見つめてるのに? 頬は赤く染まって、唇も濡れてる」
「そ、それは大地さんが……」
すると大地は、花穂の唇を親指でなぞり、耳元でささやいた。
「俺が花穂を色っぽくさせてる? それは光栄だな。もっともっと、どこまでも乱れさせたい。俺にだけ、見せて」
花穂はもはや息をするのも忘れ、なにも考えられなくなる。
大地は花穂の頬に手を添えて、耳元にチュッとキスをした。
ピクンと花穂の身体が震える。
「可愛い、花穂」
「大地さん、だめ。あの、ここ、玄関だし」
花穂は必死で身をよじった。
「せっかくのお花が潰れちゃうから。ね?」
「そんなに可愛くお願いされたら断れないな。残念だけど、続きはあとにするか」
「そうですね。続きはWebで」
「ぶっ! ご冗談を。続きはベッドで……」
「わー、ほら、夕食! お祝いのごちそうなの。乾杯しましょ」
あ、逃げたな!という大地の声を聞きながら、花穂は急いでリビングに向かった。
22時になり、夕食を作り終えた花穂はカチャッと玄関のドアが開く音がして、大地を出迎えに行く。
「お帰りなさい! って、ええ? どうしたの?」
「ただいま、花穂」
そう言って大地は、手にしていたピンクのバラの花束を差し出した。
「あの、えっと、これはなに?」
「バラ」
「それは分かります! そうじゃなくて、なぜこれを?」
「コンペのお祝い」
「え? それなら私も大地さんになにか……」
「いいからさっさと受け取れ!」
急にいつもの口調で言われ、はい!と花穂は受け取る。
「わあ、綺麗。いい香り」
花穂はバラに顔を寄せてうっとりと呟いた。
「ありがとう、大地さん」
「どういたしまして。コンペに勝てたのは花穂がいてくれたからだ。それに俺をスランプから救ってくれた」
「ううん、私の方こそ。デザイナーとして仕事ができるのも、今こうして幸せでいられるのも、全部あなたのおかげです。ありがとう、大地さん」
「花穂……」
大地は切なげな表情を浮かべると、優しく花穂にキスをする。
「俺、花なんか贈ったの、花穂が初めてだ」
「そうなの?」
「ああ。そんなガラじゃなかったのにな。自分でも驚いてる。花屋の前を通りかかったら、無性に花穂に贈りたくなった」
「嬉しい。私もお花をもらったの、初めてなの」
「そうなのか? なんか俺も嬉しい。花穂と一緒なら、この先も楽しいことがたくさん待ってる気がする」
花穂はキョトンとしたあと、花束で顔を隠して、ふふっと笑い出す。
「なんだよ?」
「だって、大地さんが妙にロマンチックなこと言うんだもん」
「俺だってこんなこと言うタイプじゃなかった。花穂のせいだぞ?」
「ええ? どういうこと?」
思わず顔を上げると、ふいに大地が熱く唇を奪った。
「んんっ」
花束を手にしていては押し返すこともできず、花穂は大地の強引なキスを懸命に受け止める。
ようやく身体が離れると、花穂は目を潤ませながら、はあ……と吐息をついた。
「花穂こそ、こんなに色っぽいとは知らなかった」
「えっ、あの。私、別に色っぽくなんか……」
「こんなにトロンとした目で俺を見つめてるのに? 頬は赤く染まって、唇も濡れてる」
「そ、それは大地さんが……」
すると大地は、花穂の唇を親指でなぞり、耳元でささやいた。
「俺が花穂を色っぽくさせてる? それは光栄だな。もっともっと、どこまでも乱れさせたい。俺にだけ、見せて」
花穂はもはや息をするのも忘れ、なにも考えられなくなる。
大地は花穂の頬に手を添えて、耳元にチュッとキスをした。
ピクンと花穂の身体が震える。
「可愛い、花穂」
「大地さん、だめ。あの、ここ、玄関だし」
花穂は必死で身をよじった。
「せっかくのお花が潰れちゃうから。ね?」
「そんなに可愛くお願いされたら断れないな。残念だけど、続きはあとにするか」
「そうですね。続きはWebで」
「ぶっ! ご冗談を。続きはベッドで……」
「わー、ほら、夕食! お祝いのごちそうなの。乾杯しましょ」
あ、逃げたな!という大地の声を聞きながら、花穂は急いでリビングに向かった。



