(なんだろう、嵐が去ったあとみたい)
会議室を片づけながら、花穂は先ほどまでのことを思い返していた。
4年越しの再会を果たした感動はどこへやら、打ち合わせもあっという間に終わってしまった。
(浅倉さんは、私と一度会ったことがあるなんて思いもしてないだろうな)
正直なところ、この4年間ドラマチックな再会を夢見ていたせいか、また会えた喜びよりも今は落胆の方が大きい。
(そりゃあね、別にそこからどうにかなるとは思ってなかったけども。『やあ、あの時の君か!』『はい、おかげさまでこの会社に入れました』くらいの楽しげな会話はできると思ってたのに)
ブツブツと心の中で呟きながら、手元の資料をまとめる。
「じゃあオフィスに戻りましょうか。ん? どうかしたの、花穂」
「いえ、なんでもありません」
慌てて首を振ると、目の前にニョキッと大森が顔を出した。
「花穂ちゃん、悩みがあったらいつでも相談に乗るからね」
「あ、はい。ありがとうございます。プロジェクションマッピングの投影や光る絨毯についても、追々相談させてください」
「もちろーん! 恋の悩みもいつでもどうぞ」
ガシッと織江が大森の頭を掴んで押し退ける。
「じゃあ戻るわよ、花穂」
「はい。それでは大森さん、失礼いたします」
お辞儀をすると、大森は「まったねー! 花穂ちゃん」とヒラヒラ手を振った。
会議室を片づけながら、花穂は先ほどまでのことを思い返していた。
4年越しの再会を果たした感動はどこへやら、打ち合わせもあっという間に終わってしまった。
(浅倉さんは、私と一度会ったことがあるなんて思いもしてないだろうな)
正直なところ、この4年間ドラマチックな再会を夢見ていたせいか、また会えた喜びよりも今は落胆の方が大きい。
(そりゃあね、別にそこからどうにかなるとは思ってなかったけども。『やあ、あの時の君か!』『はい、おかげさまでこの会社に入れました』くらいの楽しげな会話はできると思ってたのに)
ブツブツと心の中で呟きながら、手元の資料をまとめる。
「じゃあオフィスに戻りましょうか。ん? どうかしたの、花穂」
「いえ、なんでもありません」
慌てて首を振ると、目の前にニョキッと大森が顔を出した。
「花穂ちゃん、悩みがあったらいつでも相談に乗るからね」
「あ、はい。ありがとうございます。プロジェクションマッピングの投影や光る絨毯についても、追々相談させてください」
「もちろーん! 恋の悩みもいつでもどうぞ」
ガシッと織江が大森の頭を掴んで押し退ける。
「じゃあ戻るわよ、花穂」
「はい。それでは大森さん、失礼いたします」
お辞儀をすると、大森は「まったねー! 花穂ちゃん」とヒラヒラ手を振った。



