その次の週。
花穂は会議室で、大地と大森にフラワーアレンジメントを見せていた。
「大森さん、マイクロファイバーのスイッチを入れてください」
「オッケー」
大森がパソコンを操作すると、花が淡く光をまとった。
それは決して人工的ではなく、まるで花の命が輝いたかのように。
「へえ、綺麗だな」
大森が呟く。
「ナチュラルで、花自身が輝きを放っているみたいだ。花穂ちゃん、これどうやったの?」
「グリーンの部分を、導光ファイバーを織り込んだ布で模倣しました。葉っぱとか茎とか、こんな感じで」
花穂は花をそっと指先でよける。
「え、こんなに細かい作業を?」
「はい。光は白で統一しました。淡く色づいて見えるのは、花びら本来の色合いです」
「そうか、だからこんなに自然なんだ」
感心したように頷く大森の隣で、大地はじっと花を見つめたままだった。
「あの、浅倉さん。いかがでしょうか?」
恐る恐る尋ねると、大地は顔を上げて大きく花穂に頷いてみせた。
「いいな。お前らしいアイデアだ」
花穂はホッと胸をなでおろす。
「ありがとうございます。じゃあ、これで進めても構いませんか?」
「ああ。俺もこの演出が引き立つようなプロジェクションマッピングを考える」
「はい!」
花穂は満面の笑みで返事をした。
あの日悩んだ気持ちを、大地がすっかり消し去ってくれたことを感じながら。
花穂は会議室で、大地と大森にフラワーアレンジメントを見せていた。
「大森さん、マイクロファイバーのスイッチを入れてください」
「オッケー」
大森がパソコンを操作すると、花が淡く光をまとった。
それは決して人工的ではなく、まるで花の命が輝いたかのように。
「へえ、綺麗だな」
大森が呟く。
「ナチュラルで、花自身が輝きを放っているみたいだ。花穂ちゃん、これどうやったの?」
「グリーンの部分を、導光ファイバーを織り込んだ布で模倣しました。葉っぱとか茎とか、こんな感じで」
花穂は花をそっと指先でよける。
「え、こんなに細かい作業を?」
「はい。光は白で統一しました。淡く色づいて見えるのは、花びら本来の色合いです」
「そうか、だからこんなに自然なんだ」
感心したように頷く大森の隣で、大地はじっと花を見つめたままだった。
「あの、浅倉さん。いかがでしょうか?」
恐る恐る尋ねると、大地は顔を上げて大きく花穂に頷いてみせた。
「いいな。お前らしいアイデアだ」
花穂はホッと胸をなでおろす。
「ありがとうございます。じゃあ、これで進めても構いませんか?」
「ああ。俺もこの演出が引き立つようなプロジェクションマッピングを考える」
「はい!」
花穂は満面の笑みで返事をした。
あの日悩んだ気持ちを、大地がすっかり消し去ってくれたことを感じながら。



