翌日。
打ち合わせの時間に会議室に行くと、花穂がすぐさま近づいてきた。
「浅倉さん、お疲れ様です。夕べはありがとうございました。これ、タクシー代と食事代です」
そう言って白い封筒を差し出す。
「いい。気にするな」
「ですが、散々お世話になりましたし……」
「職場の後輩なんだから、これくらい当たり前だ。それより大森に見つかったらやっかいだ。早く仕舞え」
「あ、はい。それではお言葉に甘えて……。色々と本当にありがとうございました」
「ああ」
花穂は封筒を書類ケースに仕舞ってから、そっと視線を上げて再び話しかけてきた。
「あの、浅倉さん」
「なんだ?」
「私、実は夕べの記憶が定かではなくて……。お食事が美味しかったことと、タクシーで送っていただいたことは覚えてますが、その……、私なにか変なこと言いませんでしたか?」
心配そうに上目遣いでそう聞いてきた。
(そうか、『頭ポンポンひよこちゃん男』の話は覚えてないのか。それならよかった)
なにがどうよかったのか、よく分からないが、とにかく大地はホッとする。
「別に。他愛もない話をしただけだ」
ぶっきらぼうに返すと、花穂もホッとしたように頬を緩めた。
「そうでしたか」
その時、大森がいつもの調子で「ちはーっす!」と現れる。
「よし、じゃあ打ち合わせ始めるぞ」
「はい」
花穂はキリッと表情を変えて頷いた。
打ち合わせの時間に会議室に行くと、花穂がすぐさま近づいてきた。
「浅倉さん、お疲れ様です。夕べはありがとうございました。これ、タクシー代と食事代です」
そう言って白い封筒を差し出す。
「いい。気にするな」
「ですが、散々お世話になりましたし……」
「職場の後輩なんだから、これくらい当たり前だ。それより大森に見つかったらやっかいだ。早く仕舞え」
「あ、はい。それではお言葉に甘えて……。色々と本当にありがとうございました」
「ああ」
花穂は封筒を書類ケースに仕舞ってから、そっと視線を上げて再び話しかけてきた。
「あの、浅倉さん」
「なんだ?」
「私、実は夕べの記憶が定かではなくて……。お食事が美味しかったことと、タクシーで送っていただいたことは覚えてますが、その……、私なにか変なこと言いませんでしたか?」
心配そうに上目遣いでそう聞いてきた。
(そうか、『頭ポンポンひよこちゃん男』の話は覚えてないのか。それならよかった)
なにがどうよかったのか、よく分からないが、とにかく大地はホッとする。
「別に。他愛もない話をしただけだ」
ぶっきらぼうに返すと、花穂もホッとしたように頬を緩めた。
「そうでしたか」
その時、大森がいつもの調子で「ちはーっす!」と現れる。
「よし、じゃあ打ち合わせ始めるぞ」
「はい」
花穂はキリッと表情を変えて頷いた。



