「えーっと、過去のプロジェクトの資料は全てこのフォルダにまとめておいたわ。実際に使った布や演出の道具は、倉庫に仕舞ってあるから」
「はい。ありがとうございます、織江さん」
次の日から、織江は花穂へ仕事の引き継ぎを始めた。
クリエイティブ部の他のメンバーにも織江の退職が告げられ、皆は一様に驚いて寂しがる。
花穂はと言えば、夕べタクシーの中で散々泣いたからか、朝起きた時には気持ちが随分スッキリしていた。
織江の勤務最終日に送別会を企画し、クリエイティブ部はもちろん、プロデュース部やテクニカル部にも声をかける。
大地と大森からも、出席の返事をもらった。
そしていよいよ、月末がやって来た。
「よし! これで全部片づいたわね」
デスク周りを綺麗に整えて織江が立ち上がる。
「じゃあ花穂、これから人事部に手続きに行ってくるわ。あと、他の部署にも挨拶して来る」
「分かりました。行ってらっしゃい」
花穂は織江を見送ると、ガランとした隣のデスクに目をやる。
明日からはもうこの席に織江はいない。
いつも隣で見守り、励まし、相談に乗ってくれた頼もしい先輩。
自分の目指すべき憧れの存在でもあった。
(それはこれからも変わらない。大きく成長して、織江さんと互角に戦えるようにがんばる)
花穂はそう自分に言い聞かせた。
「はい。ありがとうございます、織江さん」
次の日から、織江は花穂へ仕事の引き継ぎを始めた。
クリエイティブ部の他のメンバーにも織江の退職が告げられ、皆は一様に驚いて寂しがる。
花穂はと言えば、夕べタクシーの中で散々泣いたからか、朝起きた時には気持ちが随分スッキリしていた。
織江の勤務最終日に送別会を企画し、クリエイティブ部はもちろん、プロデュース部やテクニカル部にも声をかける。
大地と大森からも、出席の返事をもらった。
そしていよいよ、月末がやって来た。
「よし! これで全部片づいたわね」
デスク周りを綺麗に整えて織江が立ち上がる。
「じゃあ花穂、これから人事部に手続きに行ってくるわ。あと、他の部署にも挨拶して来る」
「分かりました。行ってらっしゃい」
花穂は織江を見送ると、ガランとした隣のデスクに目をやる。
明日からはもうこの席に織江はいない。
いつも隣で見守り、励まし、相談に乗ってくれた頼もしい先輩。
自分の目指すべき憧れの存在でもあった。
(それはこれからも変わらない。大きく成長して、織江さんと互角に戦えるようにがんばる)
花穂はそう自分に言い聞かせた。



