ワタシだけの王子様

『はあ……うっざ、』

「は?」なんだこいつ

『アンタと付き合えれば私のステータスも上がると思ったんだよね〜』


自慢げな顔をしながらペラペラと話し始める。

『案外チョロそうって思ってたんだけど
そうはいかないみたいね……だったら』

するとニヤリとした表情を浮かべ
俺のネクタイを引っ張った。

「んな……っ」


"キスされる"とは勘づいたものの、急だったため抵抗することも出来ず見事に奪われてしまった。


恥ずかしながら初めてだった。
そんな初めてをこんな奴に奪われるなんて


俺は、百瀬が、音羽ちゃんが良かった、と心底思った。

「何、すんだ……っ」

『いやあ、もう既成事実作った方がいーかなーって思ってさあ、この場面見た人が噂広げてくれたら付き合えなくてもステータス上がるじゃん?』

「訳わかんねえ、」俺はすぐに唇をシャツで拭う。

するとリップの色がついて、とにかく最悪だった。