親友のキミと、あと1ミリの恋



「私ね、ずっと真田さんのことが気になってたんだ。正直、これまで石川くんと話していたのは、真田さんと仲良くなりたかったからで……」

「えっ!?」


谷原さんの予想外の言葉に、私は目を見開く。


「真田さんと石川くんって、本当に仲がいいよね。私には、幼なじみとかいないから。幼なじみならではの、二人の関係がすごく素敵で、憧れていたの」


私の胸をずっと締めつけていた嫉妬と、晴人を奪われるかもしれないという恐怖。


それらが、彼女の真っ直ぐな言葉を聞いた瞬間、まるで張り詰めていた糸が切れたかのように、一瞬にして砕け散った。


ああ……私は、ずっと一人で戦っていたんだ。


晴人でもなく、谷原さんでもなく、自分の中の不安と、勝手に作り上げた壁と。


谷原さんの言葉は、その壁を一瞬で壊してくれた。