蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜




 「愛している、セレナ。そなたがいてくれることで、わたしは本当に――強くなれる」

 「……私も、あなたがいてくれるから、前に進めるの。……ずっと、一緒にいてください」

 「ああ。何があっても、ずっと」

 
 静かな夜。
 ふたりはひとつの未来を見つめながら、確かに愛を重ねていった。

 熱すぎず、甘すぎず、
 けれど本物のぬくもりだけが、二人を包んでいた。

 夜が明ける頃、セレナは微睡みの中で小さくつぶやいた。


 「……幸せって、あたたかいんですね」

 「そなたが、そう思ってくれたのなら……わたしは王として、この上ない幸せだ」



 そっと指先を絡め、ふたりは眠りに落ちていった。