「そなたは、誰の代わりでもない。“セレナ”であり、わたしのたったひとりの“番”だ」 「……アグレイスさま」 その名を呼ぶと、アグレイスはゆっくりと、彼女の髪に手を伸ばした。 「わたしは、この先もきっと、戦いに身を投じるだろう。政の渦にも巻かれる。けれど――」