蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜





 「……こんばんは、アグレイスさま」

 「そなたの顔が見たくなってな」


 何気ない言葉のように言うその声音に、セレナはまた顔を赤らめる。


 「わ、わたしは……その……あっ、あのっ、今日の礼を……!」


 慌てて口にした言葉に、アグレイスは優しく微笑んだ。


 「礼など、要らぬ。わたしの方こそ、感謝している。……そなたが、今日も“そなたらしく”いてくれたことに」


 ぽかんと見上げてしまうセレナに、彼はそっと手を差し出した。


 「今宵は、共に少しだけ星を眺めぬか?」

 「……はい」


 その手を取るのは、もう怖くなかった。