「そなたの心に触れた瞬間、わたしは知ったのだ。わたしが在る理由は、おまえのためだと」 「……私、そんなに大切な存在なんですか?」 「何も知らず、何もできず、ただ泣いていた小さな魂が―― 世界で一番、強く、美しかった」 それは、誰にも言われたことのない言葉だった。 価値を与えられることもなく、名誉もなく、 王宮の片隅で誰にも気づかれなかった“無名の姫”にとって―― その一言は、何よりも甘く、眩しかった。