蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜




 王都では数日後、セレナとアグレイスによる「新王国統治の誓い」が正式に布告された。

 “ふたりの統治者”として、民の前に立ち、誓いを立てる。


 「この国を、誰かの犠牲ではなく、すべての命が呼吸できる場所へと変える。
 それが、私たちの使命であり、未来だと信じています」


 セレナの言葉に、広場に集った民たちから万雷の拍手が響いた。

 その夜、王宮の塔の上で、ふたりは静かに空を見上げていた。

 「終わったね」と、セレナ。

 「いや――始まったんだ。ようやく、“僕たちの国”が」


 アグレイスはそっと彼女の手を握り、もう片方の手で肩を抱いた。


 「これから先も、きっと迷う日が来るだろう。けれど」

 「ええ。あなたとなら、大丈夫」


 夜空には、星々が瞬いていた。
 その下で、ふたりの新しい歴史が、静かに始まった。





       《END》



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