過去に葬られた、無数の痛み、悲しみ、恐れ――かつてこの地で交わされた「誓い」を、王家の祖たちは封じた。 けれどその封印は、決して消されたわけではない。 人の記憶から消したふりをし、都合よく忘れられた“声なき声”が、いま出口を求めて叫んでいた。 セレナは静かに目を閉じた。 (私は、記憶を拒まない。声を、無視しない。私たちが築く未来は、“選ばれた者たち”だけのものじゃない) アグレイスが隣に立つ。 その剣もまた、過去を切るものではなく、未来を拓くものとして静かに輝いていた。