蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜




 「私が行きます。精霊たちと交信して、真実を視てきます」


 アグレイスが即座に手を伸ばした。


 「一人では行かせない」

 「ええ。――でも、私しかできないこともある」


 彼は、しばらく黙ってから頷いた。


 「なら、共に行こう。君の力と、僕の剣で。
 この国を創り変えると誓ったその日から、僕たちは“並び立つ者”だったはずだ」


 その瞬間、セレナの胸の奥に、熱い感情が込み上げた。

 過去、未来、そして今――
 数多の不安も恐れも、二人の間にある誓いが押し返してくれる。

 彼の瞳に、自分の映る姿がある。
 自分の中にも、彼がいる。


 (私は、もう迷わない)