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眩い光の中、彼女はかつてないほどの量の“記憶”を受け取った。
遠い時代に交わされた、王族と番妃の間の〈契約〉。
王と番妃は魔力の均衡を保ち、国と自然界の調和を繋ぐ“対”として存在する定め。
しかし、時代が進むにつれ、王権と儀式の制度により、番妃の“心”は軽視され、ただの「神託の容れ物」となっていった。
「私たちの歴史は、誤った伝承によって歪められてきた……
だが、あなたたちの世代でこそ、その鎖を断ち切ることができる」
意識が戻ると、セレナの頬には一筋の涙が伝っていた。
「……私、ようやくすべてを知った。
だから、アグレイス。私たちの手で、国を変えよう」
アグレイスは静かに頷き、彼女の手を取る。
「この真実を知ったからこそ、今度こそ、“共に治める”という理想を形にしよう」
そのとき、水晶の台座が砕け、空へと散っていく。
霧が晴れ、神殿の外へと通じる新たな道が現れた。
それは、古き封印が解けたことを意味していた。
かつて神に約束されたはずの“二人で紡ぐ統治”――
今、その契約が、ふたりの手によって書き換えられようとしていた。
(この道の先には、争いもあるだろう。けれど、私はもう迷わない)



