蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜




 「ありがとう。あなたが選んだ未来は、かつて私が望んだ未来そのもの。どうか、幸せになって」


 ふたりは光に包まれながら、再び地上の世界へと戻っていく。

 これは、過去と未来を繋ぐ“真実の選択”だった。

 ふたたび陽の光が差し込む王宮の中庭に、セレナとアグレイスは静かに戻ってきた。
 まるで長い夢から目覚めたかのように、現実の重みがふたりの肩へと舞い戻る。

 しかし、その瞳には迷いはなかった。
 “過去を選ばず、今を生きる”という覚悟が、ふたりをひとまわり強くしていた。


 「……戻ってきたんだな」


 アグレイスが呟くように言うと、セレナは小さく微笑み、彼の手をぎゅっと握る。


 「うん。もう、何も怖くない。あなたと一緒なら」


 風がそよぎ、庭園の白い花々が静かに揺れる。
 しかしその平穏の裏には、まだ終わっていない“もうひとつの決着”があった。