それは、血が応える予兆なのか、 それとも、心の奥底から湧き上がる“力”そのものなのか。 いずれにせよ―― 彼女の中で、何かが確かに変わり始めていた。 夜が更けるにつれて、王宮の中庭は深い静けさに包まれていった。 月は雲間に淡く顔を出し、銀の光を庭石や花々にそっと落とす。 その中心、東屋の隅で、セレナは静かに佇んでいた。 彼女の背に、微かに風が吹き抜ける。 だが、それは自然の流れではなかった。 まるで空気が彼女の存在に反応しているかのように、空間がざわめいていた。