蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜




 「……俺が決着をつける。父王が封じきれなかったものを、今こそ終わらせるときだ」


 その瞳には、王に連なる者としての覚悟と、ひとりの男としての誓いが宿っていた。

 ――それは、過去と未来を繋ぐ剣のような光だった。


 セレナは夢の中にいた。

 どこか懐かしくも、見知らぬ場所。
 白く靄が立ち込める草原の中に、彼女はひとり佇んでいた。


 (ここは……どこ?)


 足元には銀の草が生い茂り、風にそよぐ音が耳に心地よい。それは現実ではあり得ないような、静謐で幻想的な空間だった。

 その中心に、一人の少女が立っていた。

 セレナに背を向けたその少女は、どこか彼女自身と似ていた。
 けれど、その背中には――しなやかで獣のようなしっぽが揺れていた。


 「あなたは……誰?」


 思わず問いかけたセレナに、少女はゆっくりと振り返る。

 瞳は深い銀。
 肌は白く透け、髪はまるで月光を編んだかのように輝いていた。