蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜





 「エリナ。御前会議には予定通り出席します。議題に制限があっても、私は王妃としての責務を放棄しないわ」

 「……セレナ様、ですがお身体が……」

 「この子は、私とアグレイスの希望よ。そして私たちの国の希望。今、立ち止まるわけにはいかない」


 その言葉に、エリナは目を伏せ、小さく頷いた。


 「……おそばに、ついております」

 

 御前会議の広間に入ると、重苦しい空気が漂っていた。
 アグレイスの即位後、貴族の中には新しい体制を受け入れきれない者も多かった。

 そして――セレナの入室と同時に、微かにざわめきが広がる。


(見られてる。私の体、私の言葉、そのすべてを“王族に相応しいか”という目で)


 議長席の隣に腰を下ろすと、彼女はアグレイスの横顔を見つめた。
 彼もまた、わずかに緊張している。


 「本日の議題に入る前に、妃殿下の御懐妊についてお知らせします」


 アグレイスが声を上げた瞬間、広間の空気が微妙に揺れた。
 一部の貴族たちが無言のまま視線を交わす。