「……俺は、君の前だけでは弱くなれる。そう思ってた。けれど、いざその時になると……怖くなるんだ」 「何が、怖いの?」 「……甘えてしまいそうで。君の優しさに、全部を預けてしまいそうで」 セレナはそっと、彼の手を取った。 「それでいいのよ。甘えて。誰もひとりでは生きられない。王族であっても、人でしょ?」 その言葉に、アグレイスの肩が、ほんの少しだけ落ちた。