蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜




 「……では、その火を共に背負いましょう。私も、妃殿下の決意に同意します」


 そう言って現れたのは――リディアだった。

 上質な黒のドレスに身を包んだ彼女は、貴族たちに一礼し、セレナの隣へと静かに歩み寄った。


 「姉さま……!」

 「妃の覚悟を軽んじる者がいるなら、私がその保証人となりましょう」


 リディアの瞳に宿るのは、かつての誇りと、今の真意が重なった強い光。

 重臣たちは沈黙する。彼らにとって、リディアは“本来なら妃であったかもしれぬ存在”。
 その彼女が妹を支持したのだ。動揺は隠せない。

 アグレイスが静かに口を開いた。


 「私は王族として、セレナを伴侶とし、未来をともにする意志をここに明言する。……この覚悟を疑うのなら、それはすなわち、この国そのものを否定するに等しい」