蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜




 「私、怖かった。誰にも届かない気がして……。でも、今は……」


 そっと彼の胸元に額を預ける。


 「あなたが信じてくれたから、私は……もう、迷わない」


 アグレイスは静かに微笑んで、その背を抱いた。


 「一緒に進もう、セレナ。君の信じる道を、僕も信じる」


 その夜、セレナは再び文案に向かった。
 もう、手は震えていなかった。

 たとえ道が困難でも、自分はひとりではない。
 そう信じるだけで、言葉に確かな力が宿っていく。

 ――私は、民のために立ちます。
  そして、誰よりも先に、彼の隣で歩む者でありたい。

 その言葉が、紙の上に静かに刻まれていった。