蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜




 最初は、戸惑いが場を包んだ。
 けれど、一人の年老いた女性が前に出て、震える手で言葉を絞り出す。


 「……うちは、三人の孫を育てておりまして。最近はパンすら買えなくて……。でも、誰に言えばいいのかも分からなくて……」


 セレナは、その手をそっと取った。
 目を見て、黙って、ただ、頷いた。


 (こんなにも、苦しさを抱えた人がいる……。そして、私はそれを知らなかった)


 「お困りのことがあれば、どんな小さなことでも教えてください。私にできることは限られているかもしれません。でも……決して、無関心ではいません」