蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜





 「覚えている?  子供の頃、ここで一緒に遊んだことを」


 セレナが微笑みを浮かべて問いかける。

 アグレイスも柔らかな笑顔で応えた。


 「もちろんだ。君の笑顔を見るのが、何よりの幸せだった」


 その言葉に胸が温かくなり、セレナは小さく目を細める。


 「これからは、大人としての関係になるけれど……」


 言葉を続ける声に、少し震えが混じる。


 「それでも、あなたのそばで笑い合える時間を一番の宝物にしたい」


 アグレイスはそっと彼女の髪に触れ、指先でやさしく撫でた。


 「約束しよう。君の笑顔を守り続けると」


 その瞬間、セレナの瞳にほんのわずかな涙がにじんだ。


 「ありがとう、アグレイス」


 ふたりは静かに見つめ合い、ゆっくりと唇を重ねた。そのキスは甘く、互いの心を深く繋げていく。

 庭を包む夕暮れの風がそよぎ、金色の光がふたりの影を長く伸ばした。まるで未来の道標のように。


 (これからもずっと、あなたと共に歩んでいく)


 セレナの胸に、新たな決意が力強く芽生えた。ふたりの絆は、静かに、しかし確かに深まっていった。