サイコキネシスで、あの男を止められたらいいんだけど、その前にシャンデリアの下に人がいたら逃げさせる方に使うので、手が回らない!
ついには逃げ道をふさがれ、横も後ろも燃えるシャンデリアと、追い詰められた形。
やばすぎる!
幸いと言えるのは、わたし達以外に取り残されている人は居なさうなことだけ。
「これで逃げ道はなくなったな、宮条周! 今日こそ、お前を!」
男は、ナイフを両手でしっかり持つと、イノシシみたいに突進してくる。
この言い方……最初から周様狙いだったんだ。
その事実に恐怖しつつも、わたしは周様の前に立つ。
「おい!」
「大丈夫です!」
集中してー、ナイフをー吹っ飛ばす!
男が両手で握ったナイフを、無理矢理向こう側に弾き飛ばす。
「痛っ!」
ちょっと当たっちゃったみたいだけど、今は謝らないから!
吹っ飛ばすのに頑張った反動でわたしの体が後ろに転びそうになったのを、周様が支えてくれた。
「おい、大丈夫か⁉︎」
やばい、使いまくってヘロヘロだ。
男は、まだ気力があるのか落ちたナイフを拾うとするけど、その前に、最後の力を振り絞ってサイコキネシスでナイフを遠くへ飛ばす。
「なぜ! うごぉっ」
驚いている男に、後ろから強力な蹴りが入り、男は倒れる。
「コイツが犯人? まったく」
その姿に、わたしの胸は高鳴る。
「律果くん!」
「ごめん、遅くなって。怪我はなさそうだね」
カッコよく登場した律果くんは、わたし達に近づき怪我がないか確認すると、倒れた犯人を抱える。
こんなに火が燃える中、置いていけないもんね。
「どうやってここに?」
シャンデリアで塞がれ、もう道はないと思っていた。
「コイツの後ろには、まだ隙間が有ったんだ。行くよ」
「うん」
こんな火の中にまで助けに来てくれるなんて、律果くんは完璧すぎる執事だ。



